TS09 信号処理がもたらす先進的技術
オーガナイザ
- 土居 元紀 (大阪電気通信大学)
- 下倉 良太 (大阪大学)
概要
センサーやデバイスの発展により,それに伴うデジタル信号処理もより深化しています.一昔前は捉えきれなかった現象を数値化し,膨れ上がったデータ量からより正確で重要度の高い情報を抽出するには,より高度なデジタル信号処理を必要とします.本テーマセッションでは,画像処理・音響処理といった一般的な分野に限らず,信号にデジタルなメスを入れる内容であれば,幅広く発表を募集します.このような横断的な発表から,新しい知見を得て頂ければ幸いです.
キーワード
- ディジタル信号処理
- 画像処理
- 音響処理
- 音声分析
- スパース信号処理
- 無線信号処理
- 数理最適化
- 適応信号処理
- 生体信号処理
- グラフ信号処理
- 計測
- データ分析
- データ圧縮
- 符号化
- 通信
- 情報セキュリティ
- 可視化
TS09 招待講演
圧電MEMS共振器による物理リザバー計算とエッジAIデバイスへの展望
講師
吉村武氏 (大阪公立大学)
概要
再帰型ニューラルネットワークの特殊モデルとして発展したリザバーコンピューティング(RC)は、計算コストが低い、高速学習が可能といった特徴から、近年注目を集めている。特に非線形や履歴特性を持つ物理現象を利用してリザバー層をハードウェア実装した物理RCは、更なる計算負荷の低減が可能であり、エッジAIデバイスへの応用が期待されている。物理RCには、高速な物理現象を用いて計算能力の向上を目指す方向性とセンサとの融合を目指す方向性がある。本講演では後者に焦点を当て、物理RCの原理を概説した後、圧電MEMS共振器による物理RCの実証例を用いて具体的に推論等を行う過程を説明する。最後に、リザバー層の特性と計算能力との関係など、物理RCの性能向上における課題について議論する。